2015年9月30日水曜日

N響定期演奏会1815回を聴く

2015.09.17    サントリーホール


指揮者:ヘルベルト・プロムシュテット

演題

べートーヴェン:

                          交響曲第1番ハ長調op.21

                         交響曲第3番変ホ長調op.55(英雄)

プロムシュテットの指揮が冴えた。タクトを持たず両手を表現豊かに振り、腕と肩を動かし、78歳の高齢ながら緊張感を最後まで維持した。

私は、ベートーヴェンの交響曲では、偶数番の4番、6番,8番が好きでよく聴いてきたように思う。
特に1番を聴くのは、久しぶりで、この曲はモーツァルトの影響が強いとの固定観念があった。
しかし今日の演奏を聴き、強烈なベートーヴェンの意思が流れていることを感じた。

3番の「エロイカ」はナポレオンに捧げる意図で作曲にかかったが、皇位
に就いた行為に激怒したベートーヴェンが取りやめ、表題は出版社がつけた。
この曲によりべートーヴェンは一躍世に出、知られるようになった。いはば彼の出世作である。


吉田秀和著「ベートーヴェンを求めて」で199頁~232頁にわたり3番「エロイカ」に対する精密な考察がある。
吉田さんは、主題の展開と取り組むベートーヴェンの苦闘をとりあげる。モーツァルトに於いては主題は自然に発生した。「エロイカ」の主題の展開は第2主題な巧妙な展開にあるという。私には作曲技法は分からないが、天才ならでは出来ないという。

Beetovenならでは音楽を感じた夜であった。



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