2015年7月14日火曜日

N饗定期演奏会を聴く(1810回)

2015.5.20    サントリーホール

演題

1.シューマン:「マンフレッド」序曲 OP115

2.メンデルスゾーン:ヴィオリン協奏曲ホ短調 OP64
      アンコール BACH「ガボット」BW1006


3.ブラームス:交響曲第2番ニ長調 OP73

指揮 エド・デ・ワールト

ヴィオリン ギル・シャハム

指揮者は、予定のデーヴィッド・ジンマンが骨折手術のため来日不可となり、オランダ生まれのワールトが代役を務めた。彼は欧米の主要オーケストラを歴任し、特にオペラ指揮でバイロイト、パリ・オペラ、メトロポリタンで大成功を収めているという。N響にも過去3度共演している。

ヴィオリン奏者のギル・シャハムは、54歳だが10歳でデビューしコンクール優勝後多岐にわたり活躍、使用楽器は1699年製ストラディヴァリウス「ポリニャック伯爵夫人」である。

1.シューマンは詩と音楽の融合が作曲理念であった。
「マンフレッド」序曲は、不倫の恋人を死に至らしめたマンフレッドの魂の放浪が音楽となり、そして「自己忘却と無」に到達する。
冒頭3回くりかえされる和音が心の動揺を告げ、最終に魂の救いが示され平穏な響きで閉じる。(藤本一子氏の解説参照)
シューマンは妻クララに、この原作バイロンの劇詩を朗読し、感動の涙をとともに作曲、完成後指揮する姿はマンフレッドその人の様だったという。

2.弦楽とティンパニから始まり、独奏ヴィオリンの高い音域の旋律は美しく自然で万人に知られ親しまれている有名な曲だ。生涯裕福であったメンデルスゾーンが、プロイセンの聖職者達と対立し
失意の静養中に書かれたこの曲は新しい境地への飛躍であったに違いない。
ベートーヴェンのヴィオリン協奏曲をアダムとするならば、この曲はイヴであるとベネットはいうようにロマンテック楽派の頂点というべき傑作である。
美しい女性の曲線美のような、そして強烈で華麗な躍動感をストラディヴァリウス「ポリニャック伯爵夫人」は、深みのある音域で示した。ギル・シャハムは前後3歩位を動き回りながら軽快に、見事に弾きブラボーの繰り返しに、バッハの「ガボット」を弾いた。好青年らしい態度だった。


3.ブラームスの交響曲第1番はベートーヴェンの5番「運命」を、k




 

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