サントリーホール 2015.2.18
指揮者: パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Jarvi)conducter
演題: R.Strauss "Don Juan",sym.poem op.20
(ドン・ファン)
Mozart Piano Concerto No.25 C majer K.503
R.Strauss "Ein Heidenleben",sym.poem op.40
(英雄の生涯)
演奏: NHKシンフォニーオーケストラ
Piano: Anderszewski(アンデルジェフスキ)
今年9月からN響の首席指揮者に決まったヤルヴィは、いま世界中の有名なオーケストラを客演指揮し、まさに旬の脂の乗り切った感がある指揮者である。2001年に初共演しN響との信頼関係は出来あがっている。私は、2013.11.30横浜みなとみらいホールで、ドイツ・カンマーフィルを指揮した歌劇「フィデリオ」を観た。(私のクラシック音楽の旅そのⅡ76P。参照)
1年余を経ての再会であったが、「天啓に導かれたような響きに満ちた指揮」はさらに磨きがかかり、R.straussの「ドン・ファン」と「英雄の生涯」で指揮棒と身体がさえ渡った。
特に「英雄の生涯」のフルオーケストラでは、見事な響きを聴かせた。英雄の生涯は、シュトラウスの自伝的な交響詩で、英雄とは、彼自身である。
第1部は「英雄のポートレート」:躍動、力と意志の誇示、誘惑的なエレガンス、
第2部は「英雄の敵」:評論家からの嘲笑
第3部は「英雄の伴侶」感能的な愛
第4部は「英雄の闘い」勝利
第5部は「英雄の業績」:昔日の陶酔
第6部は「英雄の引退と死」:諦念の微笑と死 で終わる。
この曲を、ロマン・ロランはベートーヴェンの第3交響曲(英雄)と比較している。いわく
「ベートーヴェンの作品は打ち負かされた英雄の勝利だ。しかしシュトラウスの作品は打ち負かす英雄の敗北だ」と評している。二つの音楽の本質を浮き彫りにしている。
MOZARTの25番ピアノ協奏曲は、奏者Anderszewskiの独自の思索的表現が目立った。音はきれいで,緩急が明確で、自分のMOZARTを弾いたと思う。久しぶりに25番を聴いたが、感じていた以上に長い曲だった。
ヤルヴィの指揮は、今後日本人の好評を得るだろう。私はその風貌に
フェルトヴェングラーを想起した。頭の禿げ具合などそっくりそのままだもの。とにかくフルオーケストラを鳴らす”陽の指揮者”だと思う。この人のロマン派の交響曲を聴いてみたくなった。
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