2015年1月17日土曜日

内田光子:ピアノ・リサイタル 

2013.11.7  サントリーホール


演題
1. J.Sバッハ:「平均率クラヴィーア第2巻」 
               第1番 BMV870
              第14番 BMV883

2.シェーンベルグ:「6つの小さなピアノ曲」
                      OP.19

3.シューマン:「森の情景」OP.82

            
4.シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 
 

 
5.シューマン:「暁の歌」OP.133

アンコール曲:ベートーヴェン
         ピアノ・ソナタ第14番  
 
         「月光」より第1楽章

大股で、両手を前後に大きく振って現れ、幼稚園児が舞台で挨拶する様に頭を下げた。
隣の席の女性が「可愛い!」と言って大きく拍手した。
セータ姿でレースを付けていない。細い体躯だ。

シェーンベルグは、多彩に変化する。マーラーへの弔いの鐘が残響していると言われる6曲だ。

シューマンは、彼の誇大妄想と繊細な美意識を感じさせる内田さんの演奏だった。
かって内田さんは、シューベルトを、「シューベルトは、死と直面して生きている。」と言った。私はシューマンは、死をいかに考えていたのだろうと思いを巡らせた。

「暁の歌」は、狂気になり,自殺を試みる一年前に作曲した最後の光と緊張を感じたし、森の情景は森の持つ多彩な情趣を内田さんは鮮やかな腕と指で描いた。

満足した拍手の嵐の止まぬうちに、「月光」のメロディは流れた。実に美しい。
寡黙のままホールを出ると、涼風が心地よく吹いていた。次はいつ聴けるのだろう?


 

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