東京文化会館 大ホール 2013.3.30
演題
ドヴォルザーク:ヴィオリン協奏曲 イ短調 OP53
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 OP92
指揮 : 垣内悠希
ヴィオリン; 三浦文彰
管弦楽; 小澤征爾音楽塾オーケストラ
音楽総監督; 小澤征爾
若い音楽家を養成する目的で、小沢さんは、2000年以来
信州のベースキャンプで、合宿しながら研鑽を重ねている。信州では夏の最中に弦楽を主としたコンサートが開かれ、私も何度か聴衆となった。若い音楽家たちは、素養の優れた人が多く、信州の澄み切った夜の空に、繊細で清澄な音が漂う。
その東京公演がこのコンサートで13回目にあたる。
ドヴォルザークの音楽には、初春の土の匂いがする。私は田舎出の所為か、チェコの民族的表現がたまらなく好きだ。この協奏曲にも民族の情緒感があふれて心地よい。第3楽章の主題には、ドウムカ(スラブ民謡)も現れて、私が大好きなピアノ三重奏作品90の「ドウムキー」を彷彿させた。
べ-トーヴェンの7番交響曲は、わが青春時代から慣れ親しんできた曲だ。リズムの反復技巧が効果的に生かされ、ワグナーはこの作品を「舞踏の神格化」と呼んだという。「酔っ払いの音楽」との評もあるが,躍動感にあふれ、最終章の高揚感は、ベートーヴェンならでは味わえぬものだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿