作曲: ヴェルディ
演題: オペラ <シモン・ボッカネグラ>
1981年、東京文化会館でアバトが、ミラノ・スカラ座を指揮しこのオペラを上演した。私は観ていない。レコ芸で知った。
また、家人が偶々FMでその録音を聴いて大変良かったという。
アバト追悼の一環として聴いてみたくなり探したら、藤沢市の図書館がLP盤のスカラ座公演を保有していた。早速借りて自宅で聴いた。
指揮 クラウディ・アバト
シモン・ボッカネグラ ピエロ・カプッチッリ(バリトン)
ヤコボ・フィエスコ ニコライ・ギャウロフ(バス)
パオロ・アルビアーニ ホセ・ヴァン・ダム(バス)
ピエトロ ジョヴァンニ・フォイアーニ(バリトン
マリア・ボッカネラ ミレッラ・フレー二(ソプラノ)
ガブリエル・アドルノ ホセ・カレーラス(テノール)
ミラノ・スカラ座管弦樂団・合唱団
1977年1月、ミラノのスタジオ録音であるが、先日死去した(2014年)アバト指揮の最盛期の演奏である。スカラ座音楽監督として最高のキャストをそろえたこの盤は、最高のオペラを聴かせている。フレー二、カレーラス、ホセ・ヴァン・ダム等、なんと豪華な顔ぶれであろう!
ヴェルディは、この作品を愛し、固執した。しかし、後世では失敗作として扱われている。それは有名なアリアが無く、熾烈な探求心と、音楽の底に流れる重層的なドラマであることが聴衆のヤンヤの喝采を得なかっただけの事だと思われる。
私は声楽の魅力を満喫出来る数少ない一枚だと思う。オペラの筋などどうでも良いのだ。筋を楽しみたいなら小説を読めばいい。
それにしても、なんというヴェルディらしからぬ静寂なオペラだろう。ソリストの流れるような豪華な音声とともに、このオペラを上演に選んだアバトの人柄を想った。
オペラをこよなく愛し、音楽を創造したアバトを追想しながら、耳を傾けた。声楽の楽しみを再認識させる盤だと思う。
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