2014年10月13日月曜日

ダニール・トリフォノフ  ピアノ・リサイタル

 
         2014・10・13(月・祝)14:00      横浜みなとみらいホール

   

 

演題
スュトラヴィンスキー:イ調のセレナード

ドヴィツシー:「映像第一集」より
第1曲  水の反転
第2曲  運動

ラヴェル:第1曲  「鏡」より蛾 
第2曲  悲しい鳥たち
第3曲  洋上の小舟
第4曲  道化師の朝の歌
      
リスト:超絶技巧練習曲集S139

1. 前奏曲
8.    狩り
3. 風景
4. マゼッパ
5. 鬼火
2&9. 回想
10&11. 夕べの調べ
12. 雪かき

アンコール曲:

トリフォノフ:ラフマニアーナ第1番
ピアノソナタより第3楽章

R.シュトラゥス:「こうもり序曲」(トリフォノフ編)

凄いピアニストだ。驚いた。
当年23歳で、ショパンコンクール3位、チャイコフスキーコンクール1位、ルービンシュタインコンクール1位の受賞者である。5歳から音楽を学び作曲もする。

私はこの受賞歴に加え、それ以上の何かを持っていると感じた。
感情の起伏の自由さに、聴く者を彼の世界に見事に誘導してゆく。それは知的な裏打ちと、リストの再来を思わせる技術(タッチの優しさと,悪魔的テンポ)からの確信から生まれているようだ。

カーネギーホールでのデビューのライブ盤も発売されていてアルゲリッチはこんな盤は聴いたことがないと絶賛したそうだが、よくわかる。

ドビュッシーの「映像」は、印象そのものを音にし、繊細で美しい。音の粒が丸く光っていた。


リスト
ラヴェルの「鏡」は、色彩豊かとされる彼の反面の痛みと歎きを感じさせた。

リストの超絶技巧曲は、64分にわたる曲だが、ダニールは一つの大きな物語として紡ぎ出すことに成功している。彼が並の演奏家でないことを感じる。
以前「ブーニン」や「キーシン」が世に出た時、次世代を担うと期待されたが、失落の感を免れない。

アンコールで彼の作曲した2曲をきき、さらに彼の編曲した「こうもり序曲」を聴いた時彼の資質の高さと、将来性を感じさせた。
次世代を担う真のピアニストが現れたようだ。まだ一般にはよく知られていないので、ホールの空席が目立ったが、これからも生涯付き合いたいピアニストだ。




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