2014年1月9日木曜日

クリヤ・マコトとシュルベスター・オストロフスキー四重奏会 

   2013・10・01  ヤマハ銀座スタジオ



奇才庫裡屋はジャズピアニストとして,「音楽というものは、生きてゆくのが困難な人にこそ最も必要とされてきた」との哲学をもつている。

クリヤは、アカデミックな音楽教育を受けず、神戸で高校卒業のち渡米し、東海岸各地でジャズピアニストとして多くのジャズの巨匠と共演した。学生時代に交流した黒人コミュニテイーの影響を受け、ソウフルな鋭い切れ味と音色の透明感は,超一流のジャズピアニストとなった要因である。.天井まで飛び上がらんばかりに、つよくピアノを叩く。エンターティナーである。

サキソホンのシェルベスター・オストロフスキーは、ポーランドで活躍する有名なサキソホン奏者で、クリヤ・マコトと組み、企画も共同でしている。


トランペットは、ピョートル・ヴァイタシックでポーランド生まれの名人だ。サキソホンのオストロフスキーと相性がよく、彼らは唇でなく、体と心で演奏をした。
演奏中の二人の表情は、人生の幸せの在り様の具現であると思う。単なる恍惚状態を超えている。

ドラマは、黒人のニューマンベイカーだ。73歳であるが、この人の風貌に感銘した。実に大雅の趣がある。
聞けば、お爺さんは奴隷であったが、努力しエール大学を卒業、黒人初の博士号をとったという。大雅の風貌はDNAなせる業かもしれない。

私が感心したのは、ドラムの音も良かったが、自己紹介の声量と質が素晴らしかったことだ。この人に映画[カサブランカ」で、黒人トランペット奏者のサッチモが唄った[AS TIME GOES BY](時の過ぎ行くままに)を唄わせたいと思った。バーグマンとハンフリー・ボガードの悲恋を見事に唄いあげるだろう。そして歌手としても成功するかもしれないナ。

ベースギターは、アメリカ黒人のェシュエット・オランだ。彼は世界的に有名なジャズバンドにいたという。独奏部分での彼の演奏は、腹に沁みて心に伝わる。彼は極端に寡黙である。私は、ふとこの人は深い過去を背負っていると感じた。そしてもし話し出したら数日止まらないのではないかと空想した。それほど哀しい目をしている。
黒人には、他の有色人種にない表情を感じるのは私だけだろうか。

特別参加として、イスラエルと日本人を両親にもつ
ギラ・ジルカが、クリヤを援護し、VOCAL3曲を唄った。3曲目のWHEN THE PARTY IS OVERは、よい曲だった.私の心に響く曲だった。

この歌については他稿(イスラエルと日本)に譲る。





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