1989.9.13 オーチャードホール
指揮:ジュゼッペ・シノーポリ
演題:ジーグフリード牧歌
「さまよえるオランダ人」序曲
「パルジファル」第3幕(コンサート形式による全曲)
バイロイト祝祭管弦楽団
バイロイト祝祭合唱団
パルジファル第3幕 パルジファル:ライナー・コールドベルク
ゲルネマンツ:マンフレード・シェンク
アンフォルタス:エツケハルト・ウラシァ
クンドリー:ウタ・プリエフ
バイロイト音楽祭は毎夏ワーグナーのオペラ・楽劇のみを上演する世界唯一の音楽祭である。
1883年R・ワーグナーの死後、その遺産相続の歴史は、ワーグナー一族の盛衰と第1次世界大戦を背景として膨大な紆余曲折を物語っている。
この歴史の一端を味わう舞台装置、合唱、演出である。配役のコールドベルクやシェンクも、馴染みが深く、聴く者を感動させたと思う。
パルジファルは、1882年その夏のバイロイト音楽祭で上演し、16回も上演し、大成功を収めた。最終日8月末の第3幕をワーグナー自身が指揮し、聴衆に感銘を与えた。しかし9月に心臓発作をおこし、翌年2月この世を去った。論文「人間性における女性的なものについて」を執筆の途中で、最後の文字は「愛―悲劇性」であった。
パルジファルは、3幕からなる。キリスト処刑の際、傷口からほとばしり出る血をヨセフは杯で受けたが、それは最後の晩餐でイエスが用いた杯であった。イエスを刺した槍とともに聖遺物とされスペインの山奥の城で、聖杯騎士に護られていた。
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