2016年8月29日月曜日

バイロイト音楽祭日本公演(シノーポリ
1989.9.13  オーチャードホール

指揮:ジュゼッペ・シノーポリ



演題:ジーグフリード牧歌

   「さまよえるオランダ人」序曲

   「パルジファル」第3幕(コンサート形式による全曲)

バイロイト祝祭管弦楽団

バイロイト祝祭合唱団

パルジファル第3幕   パルジファル:ライナー・コールドベルク
               ゲルネマンツ:マンフレード・シェンク

               アンフォルタス:エツケハルト・ウラシァ
               クンドリー:ウタ・プリエフ


バイロイト音楽祭は毎夏ワーグナーのオペラ・楽劇のみを上演する世界唯一の音楽祭である。
 

1883年R・ワーグナーの死後、その遺産相続の歴史は、ワーグナー一族の盛衰と第1次世界大戦を背景として膨大な紆余曲折を物語っている。
 
 

 

この歴史の一端を味わう舞台装置、合唱、演出である。配役のコールドベルクやシェンクも、馴染みが深く、聴く者を感動させたと思う。

パルジファルは、1882年その夏のバイロイト音楽祭で上演し、16回も上演し、大成功を収めた。最終日8月末の第3幕をワーグナー自身が指揮し、聴衆に感銘を与えた。しかし9月に心臓発作をおこし、翌年2月この世を去った。論文「人間性における女性的なものについて」を執筆の途中で、最後の文字は「愛―悲劇性」であった。 

 
 
パルジファルは、3幕からなる。キリスト処刑の際、傷口からほとばしり出る血をヨセフは杯で受けたが、それは最後の晩餐でイエスが用いた杯であった。イエスを刺した槍とともに聖遺物とされスペインの山奥の城で、聖杯騎士に護られていた。
  楽劇の荒筋は、この聖槍と聖杯をあまねく世に知らせ、救済の役目を果たしたのが「共に悩むことによって知を得た清き愚か者」パルジファルであったという。ワーグナーは聖金曜日に物語の着想を得た。自伝「わが生涯」に詳しい。







 


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