2016。1.20 サントリーホール
指揮;トウガン・ソヒエフ
ピアノ;ルーカス・ゲニューシャス
演題;
グリンカ:歌劇「ルスラントリュドミーラ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏 第2番 ハ短調 作品18
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」 作品20」 (抜粋)
指揮者ソヒエフはベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者でドイツ、フランス、ロシア音楽に精通し、ベルリン・フィルにも定期的に客演、妖しい音彩を愛でると評される。あわただしい現代だからこそ、瞑想する時間が必要だという彼の指揮ぶりには、個性的な包容力に満ちた音であった。
ピアノのゲニューシャスは、2010年ショパンコンクール2位入賞、ラフマニノフやチャイコフスキーなどロマン派を軸に取り組んでいる。N響とは初演である。
グリンカの序曲は「民話オペラ」で、原作はプーシキンにより書かれた。物語は勇士留守ランが
幽閉された恋人を救い出し結婚するというものだが、登場人物の性格描写が叙事詩的に悠然と展開され、後世に影響を与えたという。このオペラによりグリンカは「近代ロシアの音楽の父」と呼ばれて、特に序曲のみ演奏されることが多い。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はロマンチックな曲だ。冒頭のピアノの和音が鐘の音のように聞こえ、徐々に響きを増してゆく。第2楽章では静寂な響きの中で葉擦れや小川のせせらぎの音もあり、第3楽章で抒情的な旋律が最高潮に達して終わる。とてもいい曲だ。
チャイコフスキ―の白鳥の湖からの抜粋は指揮者ソシエフによる選曲である。バレー音楽で聴きなれたメロディが続く。筋書きは省略しよう。
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