2015.11.29 石神井リベルラ
演奏 岡田修
題目
津軽よされ節
津軽さんさがり
津軽じょんがら節
十三の砂山
南風にのって
アンコール
庄内の彩
1985年津軽三味線全国大会で優勝し、以来欧米でも多彩な活動を続けている。
紋付に羽織、草履姿がよく似合う人だ。眼光と太い眉は、津軽三味線奏者に相応しい威厳がある。
20人限定の音響の良いこのピアノホールで演奏に当たり、岡田さんは3丁の三味線を用意されていた。それぞれ大きさや、デザインが違うのである。
「津軽よされ節」
三味線の歴史を話された。昔、越後は貧しく食うものにも貧した。<こんな世は去れ>と三味線を抱えながら農家を物乞いに回り、飢えを凌いだ。そして越後から津軽へ北上し、津軽で定着した。
「よされ節」の意は、<こんな世は去れ>から生まれているのだ。
「十三の砂山」
津軽半島の日本海側最先端に13の港を築き海外交易で繁栄していたが、1340年二十メートルを超す大津波が突如起こり、死者10万余人を数えた。
跡には砂山が残った。<砂が米なら良かったに>と唄う旋律には、悲しい哀調がながれている。
3.11の東北地震に後は、岡田さんはこの唄を封印していたが、今年の3月11日より復活させたという、涙顔で唄った。
「南風にのって」
蛇の皮の三味線は蛇味線といい、沖縄で使われる。沖縄の空の碧さに憧れて3度沖縄に行ったが
生憎毎回天気が悪く、その中で作曲したのがこの曲で、<少しは温かみが感じられましたでしょうか?>と。次の機会をまっているそうだ。
「庄内の彩」
岡田さんは庄内で生まれ育った。三味線に憧れ弟子入りし、5年の修行を経て独り立ちしたという。楽譜も教則本もないので、自分で考えて工夫をされたようだ。
この唄は、自分の幼少の頃の思い出と感傷を作詞・作曲されたものだ。
三っの三味線は皮の張り方により音色がちがう。皮は、猫か犬だ。三弦は二弦が糸を縒って作られ,他の一弦はナイロン製だ。撥は鼈甲か木製である。鼈甲を最良とする。演奏が終わってから三味線を持たせて戴いたが、重いのに驚いた。
何時もながらの美味しいケーキとお茶の御もてなしを受けで、リベルラを後にしたが、強いバチの
打音が心に残響として記憶された。
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